2008-3-19更新
目次
エスペラントは、「国際補助語」と呼ばれる人工言語。
世界中の人々が、言語的な不平等なくコミュニケーションできるようにするために作られた。
異なる言語を母語とする者同士のための「橋渡しの言葉」であり、他の言語を否定してひとつの言葉で世界を統一しようという「世界共通語」ではない。
1887年のヨーロッパ(当時ロシア領だったポーランド)でルドヴィコ・ザメンホフによって発表された。
この言語は、創案者のルドヴィコ・サメンホフが「エスペラント博士」(Doktoro Esperanto)というペンネームを使って発表したため、エスペラント(Esperanto)という名前になった。(最初は単に「国際語」と呼ばれていた)
エスペラントは、「希望する者」という意味を持つ。ザメンホフがこのペンネームを使った理由は、彼が「多くの人がこの言葉で平和になって欲しい」と願っていたからだと思われる。
エスペラントを話す人は「エスペランティスト」(Esperantisto)と呼ばれる。
主にヨーロッパの民族語(ラテン語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、英語、ロシア語、ポーランド語など)から語彙を取り入れて単語としている。文法は整理され、不規則な要素のないものになっている。したがって、民族語と比べると学習が容易。
国際交流や国際会議などで使う場合、エスペラントはどの国の言語でもないため母語の違いによる不平等がない(国際会議の参加国すべての民族語を使用すると、通訳に時間もお金もかかる。逆にひとつの参加国の言葉を共通語にすることは、その国の発言を有利にすることになる)。
どの国の言語でもないため誰でも公平に学べるとされているが、語彙の大部分はヨーロッパの言語から採用されているため、学習はヨーロッパ人に有利だという指摘もある。
エスペラントという名称は基本的にその言語体系のことを指すが、正確には言語と理念の両方を指す。(後述)
ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(Lazaro Ludoviko Zamenhof)
1859年12月15日、ポーランドのビャウィストク生まれ
ユダヤ系ポーランド人の眼科医・言語学者
母語はロシア語。
ポーランド語、ドイツ語、フランス語、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語、英語も学び、イディッシュ語、イタリア語、スペイン語、リトアニア語にも興味を持っていた。
ザメンホフの生まれた当時、ポーランドは帝政ロシア領だった。
町の人々は4つの民族(ロシア人、ポーランド人、ドイツ人、ユダヤ人)のグループに分断されていた。そこでは民族の対立や差別が日常的に起きていた。
エスペラントの使用者・学習者は、世界中に広く存在している。(ヨーロッパが最も多い)
堪能な者から初学者まで含め、世界全体で100万〜200万人がエスペラントを使えるとされている。
日本エスペラント学会の会員は、約1,500人。
旅行、文通、世界大会(国際交流の集会)、ラジオ、文芸、インターネットなどで使われている。
両親がエスペランティストで、幼いころからエスペラントを学んだ人(=エスペラントを母語とする人)は、世界に200〜2,000人いると言われている。
緑星旗:
エスペラントのシンボルとして100年以上使われてきた旗。この旗は、エスペラントをよく知らない人に宗教や国家主義・国民主義のイメージを与えてしまうという意見もある。
緑の星:
緑星章。
ユビレーア・スィムボーロ(jubilea simbolo)
La Espero
世界エスペラント協会(Universala Esperanto-Asocio 略称UEA)は、最も大きなエスペラントの国際組織。
1908年にスイスに設立された。
オランダのロッテルダムに本部がある。
毎年世界エスペラント大会を開催している。
国際連合とユネスコと協力関係にある。
世界各地でエスペラントを学んでいる人たちが年に1回集まり、国際的な会議、交流、文化活動などをしている。
大会ではエスペラントを共通語として使う。基本的に通訳はいない。
参加者は、1,500人〜3,000人ほど。
毎年異なる国で8月ごろ開かれている。(オリンピックのように、どこかの国の都市が開催地となる)
第1回目の開催地は、フランスのブーローニュ=シュル=メール。(1905年)
2007年には、第92回大会が横浜で開かれた。(57ヵ国から約1,900人の参加者があった)
パスポルタ・セルヴォ(Pasporta Servo)とは、エスペランティストのための国際ホームステイのこと。
世界80ヵ国で1,000人以上の宿泊提供者がいる。
宿泊費は基本的に無料で、旅行や世界大会の参加者などが利用することが多い。
国際補助語のため、多言語からの翻訳文学が重要な位置を占めている。
少数民族の言語で書かれた作品をエスペラントに翻訳することで、その言語の使用者がいなくなることで失われてしまう貴重な知識を世界的に共有することが出来る。
エスペラントは文法が規則的なので翻訳には有利。
また、原作文学や点字の文学作品もある。
ザメンホフが生きていた当時は、エスペラントの雑誌や辞書の出版も積極的に行われていた。
ザメンホフ自身は、エスペラントを発表する前からエスペラント(またはその基となった人工語)で詩や散文を書き、文法の問題点や表現力を確かめていた。
エスペラントの翻訳・原作の本は、これまでに世界中で25,000冊以上出版されている。
エスペラントの文法の中で、最も基本的で重要な法則。
民族語の文法を整理して、不規則的な部分をなくしたため、文法の基礎はシンプルになっている。
<アルファベート28文字の名前>
| A a | B b | C c | Ĉ ĉ | D d | E e | F f | G g | Ĝ ĝ | H h | Ĥ ĥ | I i | J j | Ĵ ĵ |
| アー | ボー | ツォー | チョー | ドー | エー | フォー | ゴー | ヂョー | ホー | ッホー | イー | ヨー | ジョー |
| K k | L l | M m | N n | O o | P p | R r | S s | Ŝ ŝ | T t | U u | Ŭ ŭ | V v | Z z |
| コー | ロー | モー | ノー | オー | ポー | ロー | ソー | ショー | トー | ウー | ウォー | ヴォー | ゾー |
<子音と母音の組み合わせによる発音>
| |
a あ |
i い |
u う |
e え |
o お |
| b ぶ |
ba ば |
bi び |
bu ぶ |
be べ |
bo ぼ |
| c つ |
ca つぁ |
ci つぃ |
cu つ |
ce つぇ |
co つぉ |
| ĉ ちゅ |
ĉa ちゃ |
ĉi ちぃ |
ĉu ちゅ |
ĉe ちぇ |
ĉo ちょ |
| d どぅ |
da だ |
di でぃ |
du どぅ |
de で |
do ど |
| f ふ |
fa ふぁ |
fi ふぃ |
fu ふ |
fe ふぇ |
fo ふぉ |
| g ぐ |
ga が |
gi ぎ |
gu ぐ |
ge げ |
go ご |
| ĝ ぢゅ |
ĝa ぢゃ |
ĝi ぢ |
ĝu ぢゅ |
ĝe ぢぇ |
ĝo ぢょ |
| h ふ |
ha は |
hi ひ |
hu ふ |
he へ |
ho ほ |
| ĥ ふ |
ĥa は |
ĥi ひ |
ĥu ふ |
ĥe へ |
ĥo ほ |
| j い |
ja や |
ji い |
ju ゆ |
je いぇ |
jo よ |
| ĵ じゅ |
ĵa じゃ |
ĵi じ |
ĵu じゅ |
ĵe じぇ |
ĵo じょ |
| k く |
ka か |
ki き |
ku く |
ke け |
ko こ |
| l る |
la ら |
li り |
lu る |
le れ |
lo ろ |
| m む |
ma ま |
mi み |
mu む |
me め |
mo も |
| n ん(ぬ) |
na な |
ni に |
nu ぬ |
ne ね |
no の |
| p ぷ |
pa ぱ |
pi ぴ |
pu ぷ |
pe ぺ |
po ぽ |
| r る |
ra ら |
ri り |
ru る |
re れ |
ro ろ |
| s す |
sa さ |
sis すぃ |
su す |
se せ |
so そ |
| ŝ しゅ |
ŝa しゃ |
ŝi し |
ŝu しゅ |
ŝe しぇ |
ŝo しょ |
| t とぅ |
ta た |
ti てぃ |
tu とぅ |
te て |
to と |
| ŭ う |
ŭa わ |
ŭi ぅい |
ŭu ぅう |
ŭe ぅえ |
ŭo ぅお |
| v ヴ |
va ヴぁ |
vi ヴぃ |
vu ヴ |
ve ヴぇ |
vo ヴぉ |
| z ず |
za ざ |
zi ずぃ |
zu ず |
ze ぜ |
zo ぞ |
エスペラントでは、28文字のアルファベット(alfabeto アルファベートと呼ばれる)を使う。
字上符のついた文字が6種類ある。
母音は「a e i o u」の5つ。他はすべて子音。
q、w、x、yは人名や記号などの場合以外では使わない。
字上符つきの文字を入力できない場合は、その文字の後ろにx、h、^を置いて代用表記とする。(例:ĉ→cx、ĝ→gh、ĥ→h^ など)
代用表記の使い方は、現在(2007年2月)はまだ統一されていないが、インターネットや電子メールでは、X-方式がよく使われている。(xの文字はエスペラントにないので、「xは字上符」と分かりやすいため。)
エスペラントの文字は、「ローマ字読み」できる。
アルファベット1文字に対して、読み方は1通りしかない。文字の通りに発音し、発音の通りに書く。
黙字(発音されない字)はない。
アクセントは後ろから2番目の音節にある。
アクセントは、他の部分よりも軽く力を込めて発音する。(強弱アクセント。)
また、綺麗に発音するために、アクセントに長短の区別をつけると良いとされている。
アクセントの後ろに子音が1つしかない場合: アクセントは長めにすると、美しく発音しやすい。
例: bona (ボーナ)、amas (アーマス)、luno (ルーノ)、japano (ヤパーノ)
アクセントの後ろに子音が2つ以上ある場合: アクセントは短めに発音するとよい。
例: arbo (アルボ)、forte (フォルテ)、manĝis (マンヂス)、Esperanto (エスペラント)
エスペラントのアクセントは、単語の意味を区別するためではなく、発音の調子をそろえて聞きやすくするためにある。
アクセントを変えても単語の意味は変わらないが、ニュアンスは多少変わる。
仮想エスペラント部: http://lernanto.web.fc2.com/
メール: salontigro@yahoo.co.jp
Ekde: 2006-7-24